一腐女子による萌え時々ヘタレの日々
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もう何度目になるだろう、黙々と林檎をかじりながらちらりと横へ視線を送れば、万丈目が最高に不機嫌そうな顔つきでオレを睨んでいる。こっそりと溜め息を吐きながら、自由に動かせる片方の手で小さく頬を掻いた。
左腕は添え木と包帯と三角巾で以って厳重に固定されてしまっている。起き上がったオレが今胡座をかいているベッドも、住み慣れたレッド寮の固いそれでは無く、真っ白なシーツに包まれた保健室の物だ。
そのベッド脇の丸椅子に腰掛ける万丈目は、先程力任せにドアを開けずかずかと入ってきた時から一言も喋らない。何を話し掛けても反応が無いので、オレは仕方無く明日香が差し入れてくれた林檎を食べるしか無い訳だ。
丁度丸1個分をたいらげた時の事、ふとオレは口を開いた。
「有り難うな、万丈目」
それが何に対しての感謝であるのかは自分でも良く分からない。唯思い付いたからそう言っただけ。
けれど、その一言に万丈目はぴくりと体を震わせて、深く俯いてしまった。
「…どうして、」
搾り出すように漏れた、しかし悲鳴の様に甲高い声は、まるで蜘蛛の糸の様に小さく掠れていた。
長い前髪に隠された表情は見えない。けれど、耳に付いて離れないその涙声は、ズボンを硬く握り締めながら小刻みに震える血の気の失せた指先は、引き裂かれる様な痛みを伴って深く深くオレの心へと突き刺さってきた。
万丈目を庇って骨折した十代と責任を感じてる万丈目。
これは小説になりそうな気がしますがこれ以上書きかけの小説を増やしても仕方が無いので、取り敢えず投下。
左腕は添え木と包帯と三角巾で以って厳重に固定されてしまっている。起き上がったオレが今胡座をかいているベッドも、住み慣れたレッド寮の固いそれでは無く、真っ白なシーツに包まれた保健室の物だ。
そのベッド脇の丸椅子に腰掛ける万丈目は、先程力任せにドアを開けずかずかと入ってきた時から一言も喋らない。何を話し掛けても反応が無いので、オレは仕方無く明日香が差し入れてくれた林檎を食べるしか無い訳だ。
丁度丸1個分をたいらげた時の事、ふとオレは口を開いた。
「有り難うな、万丈目」
それが何に対しての感謝であるのかは自分でも良く分からない。唯思い付いたからそう言っただけ。
けれど、その一言に万丈目はぴくりと体を震わせて、深く俯いてしまった。
「…どうして、」
搾り出すように漏れた、しかし悲鳴の様に甲高い声は、まるで蜘蛛の糸の様に小さく掠れていた。
長い前髪に隠された表情は見えない。けれど、耳に付いて離れないその涙声は、ズボンを硬く握り締めながら小刻みに震える血の気の失せた指先は、引き裂かれる様な痛みを伴って深く深くオレの心へと突き刺さってきた。
万丈目を庇って骨折した十代と責任を感じてる万丈目。
これは小説になりそうな気がしますがこれ以上書きかけの小説を増やしても仕方が無いので、取り敢えず投下。
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